今回はFXの自動売買プログラム(通称EA)のバックテスト結果の見方を紹介します。

目次
1.バックテストとは
2.バックテストの種類
3.バックテストの見方
4.今後の展開

1.バックテストとは?

 バックテストとは、自動売買ソフト(EA)を導入したシステムトレードを開始する前に、そのEAが過去のチャート上でどのような取引をおこない損益や勝率など、どのような成績をあげているかを確認する作業のことをいいます。

 過去のチャート上で良い結果が得られれば導入、悪い結果となった場合は導入を見送るなど、EA導入の大きな判断材料となります。

 私が普段使用しているのは「TickStory 」となります。なぜかモデリング品質がn/aになっていますが、加工等はおこなっておりません。

最近は、Tick Data Suiteというソフトも良いと聞きますね。あくまでもバックテストになりますので、実際の結果と異なる場合がございます。

2.疑似ティックとリアルティック

 バックテストに使うテストデータには、疑似ティックとリアルティックがあります。

 疑似ティックは、4本値を元にMT4/MT5が特定のアルゴリズムに沿って自動で作成するティックデータです。4本値とは始値・高値・安値・終値となります。擬似Tickデータをバックテストに利用するため、基本的にリアルティックデータとは異なる結果となります。

 リアルティックは文字通り、実際のデータになります。疑似ティックは1分に1つのデータですが、実際の取引では1分間に何度も上下の値動きをしています。このすべての値動きのデータがすべて含まれています。

疑似ティックとリアルティックでどのぐらいの結果が変わるかというと、次のようになります。

■疑似ティックのテスト結果 image

■リアルティックのテスト結果 
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全のEAがここまで差が出るとは限りませんが、このぐらい違うと認識していたほうが良いと思います。疑似ティックとリアルティックの見分け方は、次に説明する「モデリング品質」を見ると分かります。疑似ティックはモデリング品質が最大90%となりますので、90%以下の場合は信頼しないほうが良いです。

ここまで書いておきながら私の環境ではリアルティックを使用していますが、モデリング品質は「n/a」となってしまっています。。。直し方を知っている方はご連絡ください。

3.バックテストの見方

以前使用していたナンピンマーチン型EA「BeeScalper」を例に説明します。

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①通貨ペア
 バックテストを行った通貨ペアを表しています。

②期間
 バックテスト期間を表しています。

③パラメーター
 EAのパラメータを表しています。ロット数をパラメータで設定している場合はここを確認することになります。

④モデリング品質
 バックテストの精度を表しています。MT4の疑似ティック(始値、終値、高値安値の四本値)を使用した場合、最大で90%となります。
 リアルティックをダウンロードすると最大で99.99%となります。疑似ティックとリアルティックでは結果が大きく異なります。

⑤スプレッド
 テストの際はスプレッドは固定となります。スプレッドは自由に変更できるため、テストに使用したスプレッドを表します。今回は平均値を採用しました。

⑥初期証拠金
 バックテスト開始時の証拠金を表しています。

⑦純益
 バックテスト期間中の利益を表します。

⑧プロットファクター
 資金効率を確認するための指標です。総利益÷総損失で計算します。1.0以上あれば合格と言われ、1.5~2.0あると優秀だと考えられます。 1.0を下回るものは、総損失が総利益よりも下回ることになります。

⑨最大ドローダウン
 ある時点(ピーク地点)から、最大損失が発生した時点までの損失額(金額)と下落率(%)を表しています。これ には含み損も含まれます。 私は10%以下で優秀、10~20%で合格、20%以上でリスク有ぐらいの感覚で見ています。

⑩総取引数
 テスト期間中、何回取引があったのかというトレード回数を表しています。

⑪勝率
 取引の勝率になります。勝率が高い、低いだけでは判断せずに、平均勝トレード、敗トレードも併せてみましょう。

⑫平均勝トレード、敗トレード
 取引がプラスになった平均とマイナスになった平均です。たとえ勝率が20%でも、一度の勝トレードが大きければ結果はプラスになります。逆に勝率が高くても平均勝トレードが小さければ結果はマイナスとなります。 損小利大を目指すなら平均勝トレードが高くなる設定を目指しましょう。

⑬グラフ
 縦軸が証拠金、横軸が取引回数となります。このグラフは右肩上がりとなることが好ましいです。 ただしナンピンマーチン型も右肩上がりとなりますので要注意です。併せて数量も確認しましょう。

⑭数量
 取引の数量(ロット)を示します。ナンピンマーチン型EAのように発注数量(ロット)が変動する場合に表示されます。ナンピンマーチン型EAではナンピン数が増えると数量も多くなるため、グラフの値も高くなります。今回のCinderellaはロット固定のため、表示されていません。

それでは通貨ペアごとに結果を見ていきましょう。

4.今後の展開

 私の使用しているEA、および開発しているEAのバックテストデータを掲載していきます。また私の開発しているEAを提供していく場にしていきたいと考えています。